栞いろは歌  禅のことをもっと…

花薬欄(かやくらん)


「煩悩妄想がすっかりなくなった美しい清浄な悟りの本体とはどんなものでしょうか」。雲門禅師が答えて曰く、「花薬欄」。花薬欄とは何の事でしょうか。…(中略)…どんな花でもいい、何も、牡丹や芍薬でなくとも、小さい名もない雑草の花でもいい、色々な花が咲き乱れる花畑と解す方がより禅的です。「清浄仏」、そこに美しい花が一パイに咲いているではないか。じっくり見なさい、花それぞれが、その色を誇る事もなく、花を競う事もなく、ありのままの姿を呈して、仏の真面目を発揮しているではないか、それ以外に何の清浄法身があろうかというわけです。

《原典・碧巌録/引用・細川景一著『枯木再び花を生ず』(禅文化研究所)より》

写真 雲水の網代笠